
ヨガは呼吸がとても大切と言われているけど、なぜ?と疑問に思う方もいるかもしれません。
実際にスタジオに行っている方は、かなり呼吸のインストラクションがあるな~と思ったことないですか?
私もインストラクターをしている中で、ヨガを始めたばかりの方からの質問で多いものが「呼吸がうまくできません」「呼吸が苦しくなります」です。
今回は、この呼吸に関して、特にヨガを始めたばかりの方や、これから始めようと思っている方に関してお話していきます。
目次
ヨガは呼吸が大切な理由
ヨガでは、呼吸法は「プラーナヤーマ」と呼びます。
プラーナは「生命力、生命エネルギー」、「ヤーマ」は「運ぶ、制御、抑制」などの意味があり、呼吸により生命エネルギーを循環させるという方法です。
プラーナヤーマはヨガの基本で、呼吸を正しく行うことにより、心身を整え、各機能を向上する効果があると言われています。
プラーナヤーマにヨガのアーサナ(ポーズ)を取り入れることで呼吸と動きが連動し、アーサナの効果も発揮されます。
“アーサナは常に呼吸の中に存在し、呼吸が始まりアーサナが始まって、呼吸が終わる前にアーサナは終わります。”
アーサナは常に呼吸の中に存在するということを、まずは忘れないようにしていきましょう!
ヨガの呼吸で使う筋肉と効果
呼吸には、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2パターンがあります。
呼吸タイプのチェック
呼吸は生活習慣の歪みやストレスなど、心身と深く関係しています。
ただ、日常生活の中で自分が今どんな呼吸をしているなと観察することってありますか?
あまりしない方が多いのではないでしょうか?
普段あなたがどんな呼吸を行っているかまずはチェックしてみましょう!
片手を胸に当て、もう片方の手親指を軽くおへそに当てて、他の指は伸ばした状態でそっとお腹に当てます。
そのまま目をつぶってしばらく呼吸を繰り返します。
胸とお腹のどちらが大きく動いているか確認してみましょう。
★胸の方が大きく動いた人
緊張タイプで、常に緊張としてストレスが溜まりやすくなっているかもしれません。
★お腹の方が大きく動いた人
安定タイプで、気持ちが安定し、リラックスができている状態。
★どちらの動きもあまり感じられない人
かなりストレスが溜まり、とても呼吸が浅くなっている可能性があります。
あなたはどのタイプの呼吸でしたか?
そもそも呼吸は肺を使って行っていますが、肺は自分自身で膨らんだりしぼんだりできないので、肋間筋という胸の周りにある筋肉や横隔膜という胸とおなかを隔てている膜の力を使って、吸って吐いてという働きを行っています。
呼吸には大きくわけて、胸の筋肉を多く使う「胸式呼吸」と横隔膜の力を多く使う「腹式呼吸」の2つがあります。
☆胸式呼吸
スポーツをするときや、これから仕事やお勉強などで「やる気を出すぞ!」というときなど、心身が緊張状態にあるときに行う呼吸です。
先程のチェックで緊張タイプになった方はこの呼吸を日常的に行っています。
この呼吸は、胸・首・肩など上半身の筋肉を動かして吸うことを得意としますが、吐くことは不得意なので、結果的に呼吸が浅くなり、それをカバーしようとして速い呼吸になるという特徴があります。
この呼吸は、交感神経を優位にする呼吸です。
☆腹式呼吸
横隔膜を上下に動かして行う呼吸なので、肺が大きく縦に伸び縮みします。
胸式呼吸とは逆に、吐くことを得意とするので、結果的に、たくさん息が吐け酸素をたっぷりと取り込めます。
深くゆったりとした呼吸になるので、リラックスや心身の安定など副交感神経を優位にする呼吸です。
先程のチェックで安定タイプになった方は、この呼吸を行っています。
ヨガで使っている呼吸法と効果
流派によっても呼吸法は異なりますが、ヨガで行っていく主流の呼吸法は「腹式呼吸」です。
鼻から吸ってお腹を大きく膨らませ、鼻から吐いてお腹を薄くしぼませていきます。
腹式呼吸は「横隔膜」を主に使っていく呼吸法です。
腹式呼吸を行うことで心身にとってたくさんの効果があります。
リラックス効果
腹式呼吸を行うと副交感神経の働きが優位になりますので、リラックス効果があらわれてきます。
特に日常忙しい方や、イライラしがちな方、疲れがなかなかとれない、睡眠が浅いなどの悩みがある方は、1日の中で交感神経が優位になっている時間がかなり多いです。
1日の中で交感神経と副交感神経がバランス良く働くことで心身の安定に繋がります。
柔軟性が高まり、しなやかな筋肉へ
ヨガを行っている方は、身体が柔らかいイメージがありませんか?
みんながみんな最初から柔らかいわけではありません、私も最初はものすごく身体が固かったです。
実は腹式呼吸は筋肉を緩めて柔軟性を高める効果があります。
筋肉は吐く息とともに少しづつ筋肉が緩んできます。
柔軟性のある筋肉は、怪我もしにくく、とてもしなやかになります。
スポーツ選手が怪我を予防するという意味でも、ヨガを取り入れていることが多く聞かれます。
身体を内側から温める
腹式呼吸はお腹を大きく動かすことにより、内臓を温める効果があります。
内臓が温まると代謝が良くなり、全身の血流の流れがよくなってきますので、冷えやむくみの解消や、便秘の解消にも大変効果的な呼吸法と言われています。
また、女性は出産時に血圧上昇をさけるため、ゆっくりな呼吸を行うことを先生から指示されますので、練習といった意味で行っておくとお母さんにも生まれてくる赤ちゃんのためにも良いと言われています。
ヨガの呼吸がうまくできない!苦しい!そんな人はどうすればいい?
私がいつもアドバイスする方法は2つあります。
寝た状態で腹式呼吸の練習をする
仰向けになり、手をお腹にそっと当てて、呼吸とお腹の動きを感じます。
寝た状態で行うことで、お腹の動きがとてもわかりやすく座っているときよりも呼吸が深くなっていることを体感できます。
特に頑張ってお腹を膨らまそう!という意識がある方は寝た状態で最初行うといいですよ。
寝た状態だと、練習方法として、寝る前の数分間、腹式呼吸を行ってみてください。
リラックス効果が上がり、睡眠の質もよくなり、一石二鳥です☆
~しなければ、できなかったとき私はダメだと思わないこと!
普段一生懸命で、頑張り屋さんや完璧主義者、人と比較しやすい方に多くみられる傾向があります。
「呼吸を深くしなきゃ」「もっとお腹を膨らませなくちゃダメ」「どうして私はみんなと同じようにできないんだろう」
こんなこと思ったことありませんか?
このような思考になると逆に焦りや不安が生じて交感神経が優位になりますので、呼吸が浅くなってきます。
ヨガも呼吸法も、正解・不正解はないです。
今日の呼吸はこんな状態だと感じることがとても大切で、もし呼吸が浅ければ、今日は少し緊張しているのかもな~と感じてみてください。
難しく考える必要はないですし、無理に頑張りすぎて呼吸を深める必要もないです。
その場で呼吸をしているあなた自身を感じてみてくださいね!
呼吸を観察することで自分の内側の状態が分かりやすくなってきますよ。
ヨガの呼吸まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヨガと呼吸は連動しています。
最初は難しいなと感じたり、アーサナに一生懸命になるので、呼吸が止まってしまったりすることもあると思います。
上手にやろうとせずに、少しづつで大丈夫です。
ヨガの中でも日常生活の中でも呼吸を大切に感じてあげてくださいね。
そのことを感じれるようになると、今より少し心身が楽になったり、自分自身のことをより大切により丁寧に見ることができるようになってきます。
ヨガや呼吸を通してあなたの人生がより豊かになることを願っています。